園長よりご挨拶
私たちの中目黒幼稚園は日本基督教団中目黒教会によって1955年に設立され、地域への奉仕として、教会の働きの一つとして始められたキリスト教精神と信仰に基づく教会付属幼稚園です。
キリスト教精神に基づくといっても、子どもたちがクリスチャンになることを目的としているのではありません。キリスト教精神に基づくとは、すべての子どもたちや命が神さまによって造られた存在として、互いに敬意をもって向き合えるために子どもたちの環境を整えていくということです。
当たりまえのことですが、子どもたちはひとりひとり皆違います。かけっこが早い子、物を作るのが上手な子、自分の気持ちを話すのが上手な子、5を聴いて10を知る子、10を知るために15聴くことを必要とする子、いろいろです。でもそのひとりひとりが、神さまに造られた大切な存在として、そのままで良しとされています。ですので中目黒幼稚園は将来良い大人になるための保育ではなく、将来良い学校へ行くためのプリスクールでもない、今目の前にいる子どもたちひとりひとりに寄り添った保育を心がけています。
ここ数年、就学前教育ということが言われるようになってきましたが、これは決して小学校のお勉強を先取りすることではありません。就学前の子どもたちにとって何より大事なことは、想像する力や人とコミュニケートする力、応用する力が発達していけるような環境です。その発達に一番の環境が自由な「遊び」なのです。砂場で水や泥まみれになって、お友だちと協力し、時には喧嘩もしながら、悩みながら遊ぶ。いろいろな箱を使って自由に好きなものを作っていく。土や草花や虫たちと遊び、自然に親しみながら過ごす。こうした「遊び」を徹底的にたっぷり遊びこむことで、子どもたちの想像力やコミュニケーション力、応用力が豊かに養われていきます。そうした環境を整えることが幼児教育なのです。
私たちが共に生きていくに必要な土台の部分を、神さまに守られて穏やかにいきいきと過ごして蓄えていってくれればと願っています。
